築古リノベのお風呂・浴室完全ガイド!在来工法からユニットバスへの更新費用・サイズ制約・後悔しない選び方

「冬場のタイル風呂が凍えるように寒く、お湯がすぐに冷めてしまう…」
「築古の一軒家やマンションで、今の浴室スペースにユニットバスが入るのか不安…」
「お風呂のリフォーム費用はどのくらいかかる?解体してみないと分からない追加費用はある?」
築古物件のリノベーションにおいて、キッチンと並んで生活の満足度に直結するのが**「お風呂・浴室の刷新」**です。
昭和〜平成初期の住宅では、モルタル下地にタイルを貼った「在来工法(在来浴室)」が多く見られます。タイルの目地掃除や底冷えの厳しさに加え、目に見えないタイルのひび割れから水が染み込み、土台の腐食やシロアリ被害の原因になっているケースも珍しくありません。
現在の主流であるシステムバス(ユニットバス)へと更新することで、**「高い保温性・断熱性」「お手入れのしやすさ」「漏水リスクの大幅低減」「段差のない安全な動線」**が一挙に手に入ります。
この記事では、在来浴室からユニットバスへのリノベーション費用相場、サイズ表記の見方と設置の制約、築古ならではの下地・配管の注意点、そしてコストを賢くコントロールしながら理想のバスルームを実現するポイントを分かりやすく解説します。
1. 浴室の2大工法「在来工法」と「ユニットバス」の違い

浴室のリノベーションを検討する際、まずは既存の浴室がどちらの工法で作られているかを把握することが重要です。
| 項目 | 在来工法浴室(昔ながらのタイル風呂) | ユニットバス(システムバス) |
|---|---|---|
| 構造 | モルタル・コンクリート下地に防水処理を施し、タイルや石材を現場施工 | 工場で成型された防水パン・壁パネル・天井・浴槽を現場で組み立てる「箱」構造 |
| 断熱性・保温性 | 床や壁が外気の影響を受けやすく、冬場に強い冷気を感じやすい | 断熱材一体型のパネルや高断熱浴槽により、浴室全体が魔法瓶のように暖かい |
| 掃除・耐久性 | 目地が多くカビや水垢が発生しやすい。定期的なコーキング補修が必要 | 継ぎ目が少なく汚れが付きにくい撥水・親水加工。水はけが良く乾燥が早い |
| 漏水・構造への影響 | 経年劣化によるひび割れから下地へ水漏れし、土台を腐食させるリスクがある | 防水パンが一体成形されており、階下や床下への水漏れリスクが極めて低い |
| 工期・施工性 | 左官・タイル工・防水工など多工程が必要(約2〜3週間) | 現場での組立自体は1〜2日程度で完了(解体含め約4〜7日) |
築古戸建てやマンションのリノベーションでは、メンテナンス性・安全性・快適性の観点から、ユニットバスへの更新が基本の選択肢となります。
2. 費用相場と工事内訳:在来からユニットバスへの更新費用
在来浴室からユニットバスへの更新は、既存のユニットバスを新しいユニットバスに交換する場合に比べて、解体や基礎工事の工程が増えるため費用が高めになります。
工事費用の目安(戸建て・マンション共通)
- 既存ユニットバス → 新規ユニットバス: 約90万〜150万円
- 在来工法浴室 → 新規ユニットバス: 約130万〜220万円
- ハイクラス仕様・サイズ拡張を伴う場合: 約200万〜300万円超
主な工事内訳と見積もりのチェックポイント
- 浴室解体・撤去・処分費: 約15万〜25万円
タイルやモルタル、不要な浴槽をハツリ機で解体・搬出する人件費と廃材処分費です。コンクリートガラが多く出るため、通常の解体よりも手間がかかります。 - 土間コンクリート基礎打設費: 約5万〜10万円
ユニットバスの脚(フレーム)を水平・強固に支えるため、床下にコンクリートの土間を打ちます。 - 給排水・給湯・電気設備移設費: 約10万〜20万円
既存の鉄管・銅管を最新の架橋ポリエチレン管へ更新し、追い焚き配管や換気ダクト、給湯器リモコン配線を新設・接続します。 - ユニットバス本体・組立費: 約60万〜120万円
メーカー本体価格(定価の50〜65%程度での仕入れが一般的)に、メーカー認定施工業者による組立施工費(約8万〜12万円)が含まれます。 - 洗面室側の壁・ドア枠復旧・内装費: 約5万〜12万円
既存浴室ドアを解体した箇所の壁下地を作り直し、洗面所側のクロス貼り替えやドア枠の取付を行います。
3. サイズ表記の見方と築古ならではの設置制約
ユニットバスのサイズは、浴室の内寸(幅×奥行)を「4桁の数字」で表します。

主なサイズ規格と広さの目安
- 1216(0.75坪): 内寸 120cm × 160cm。築古マンションや狭小戸建てに多い省スペースサイズ。足を少し曲げて肩まで浸かる深めの浴槽が中心。
- 1616(1.0坪): 内寸 160cm × 160cm。現代の標準的な戸建てサイズ。大人が足を伸ばしてゆったり湯船に浸かれ、洗い場も広い。
- 1620(1.25坪): 内寸 160cm × 200cm。洗い場が非常に広く、子供と一緒の入浴や将来の介助にも余裕のあるサイズ。
- 1317 / 1418: マンションリモデル専用規格。限られた共用パイプスペース(PS)の隙間をミリ単位で活用し、可能な限り広い浴槽を確保する設計。
築古物件で直面しやすい3つの制約
① マンションの配管スラブ段差・天井高の制約
築40年前後のマンションでは、排水勾配を確保するために浴室の床が廊下より一段高くなっているケースがあります。また、上階の排水管が天井裏を通っている場合、設置できるユニットバスの天井高に制限を受けることがあります。「マンション専用リモデルバス」は、脚の高さや換気経路の寸法を細かく調整できる設計になっているため、担当者と現地調査で確認しましょう。
② 既存柱・梁・窓の位置関係
戸建ての在来浴室では、壁の中に筋交い(耐力壁)や通し柱が存在し、単純に壁を壊して広げられないケースがあります。また、既存の窓が大きすぎる場合、ユニットバスの壁パネルと干渉するため、窓サイズを小さくする外壁補修や「内窓(二重窓)」を組み合わせた納まりの検討が必要です。
③ 追い焚き配管と給湯器の能力
築古物件では「給湯専用(蛇口からお湯を張るタイプ)」の給湯器が設置されていることが多く、追い焚き用の往復配管が通っていない場合があります。全自動お湯張りや追い焚き機能を導入する場合、給湯器本体の号数アップ(16号→24号など)や、外部からの追焚配管新設工事が可能かどうかを事前に管理組合や施工会社に確認しておくことが大切です。
4. 解体時に必ず確認したい「土台の腐食」と「配管更新」
在来工法浴室のリノベーションで最も重要な工程が、**「既存タイルを解体した直後の躯体チェック」**です。

① 水染みによる土台・柱の腐食と防腐・防蟻処理
築30年以上の在来浴室を解体すると、タイルの微細なクラックから長年水が染み込み、土台の木材が黒く腐朽していたり、湿気を好むシロアリに食害されている現場が一定数見られます。
ユニットバスを据え付けてからでは床下は見えなくなります。解体直後に現場担当者と立ち会い、
- 腐食した土台や柱の「添え木補強」や「部分交換」
- 周辺木部への入念な「防腐・防蟻剤の塗布」
を適切に行うことが、住まい全体の寿命を延ばすために不可欠です。
② 給水・給湯管の全面更新(サビ・赤水対策)
かつて主流だった鉄管や銅管は、経年劣化により内部がサビて赤水が出たり、ピンホール(微小な穴)による漏水原因になります。
浴室を解体したタイミングで、耐久性が高く腐食しない**「架橋ポリエチレン管(ヘッダー工法)」**へと給水・給湯管を根元から更新しておくことが、後々の漏水トラブルを防ぐ賢明な判断です。
5. 予算内で満足度を最大化するコストコントロール術
最新のユニットバスは魅力的なオプションが多数用意されていますが、要望をすべて盛り込むとあっという間に数十万円の予算オーバーにつながります。

① 「設備メーカーの統一」で仕入れ割引を引き出す
キッチン、洗面化粧台、ユニットバス、トイレなどの水回り設備を、LIXILやTOTO、Panasonicなど同一の主要メーカーに統一することで、リフォーム施工会社がメーカーから受ける仕入れ割引率(ボリュームディスカウント)が高くなる傾向があります。各社をバラバラに選ぶよりも、総額で十万〜数十万円単位の減額につながるケースがあります。
② 掃除をラクにする「引き算のオプション選び」
近年、リノベーション経験者の間で支持されているのが「あえて付けない」という選択です。
- 鏡(ミラー)や収納棚を付けない: 水垢やウロコ汚れの原因になる鏡や備え付け棚を外し、マグネット式の可動棚を活用する。
- カウンターを省く: 洗い場カウンターの裏側はカビの温床になりやすいため、カウンターレス仕様にすることで掃除面積を減らし、本体価格も抑える。
- 照明をダウンライトやライン照明にする: 器具の出っ張りがなくなり、凹凸が減ってすっきりとしたホテルライクな空間になる。
③ 最優先すべきは「断熱」と「浴室暖房乾燥機」
削るべきでない投資は、日々の健康と直結する「温熱環境」です。
- 高断熱浴槽+断熱パック(壁・天井・床): お湯が冷めにくく、追い焚き回数が減るため光熱費削減に寄与します。冬場のヒートショック(急激な温度差による血圧変動)防止にも効果的です。
- 浴室換気暖房乾燥機: 入浴前に浴室を暖められるだけでなく、雨の日の洗濯乾燥や入浴後のカビ抑制に重宝します。
6. まとめ:ショールームでの実物体感から始めよう
お風呂は、1日の疲れを癒やし、家族がほっと一息つける住まいの中で最もプライベートな空間です。
カタログの仕様表や写真だけで判断せず、まずはメーカーのショールームに足を運び、
- 実際に浴槽の中に入り、肩周りのゆとりや足の伸ばしやすさを体感する
- 床材(TOTOのほっカラリ床やLIXILのキレイサーモフロア等)のクッション性と足裏の冷たさを確認する
- 洗面室との段差やドアの開閉有効幅をチェックする
という手順を踏むことで、完成後の「思っていたのと違う」という後悔を確実に防ぐことができます。
築古物件ならではの構造や配管の制約をクリアしながら、心地よい温もりに満ちた理想のバスルームリノベーションを実現しましょう。